稲盛和夫塾長

新年あけましておめでとうございます。皆様旧年中は大変お世話になりました。

心より御礼申し上げます。

今年は5月1日に皇太子さまが新天皇に即位され、元号も「平成」から新しい元号にかわります。皆様におかれましてもいろいろなことがあった「平成」から新しい時代を迎えられ、今年一年が素晴らしい一年でありますように。今年一年どうかよろしくお願いいたします。

 

今回は、今年限りで「盛和塾」を解散され塾長としての活動を終えられることとなった稲盛和夫塾長の「京セラフィロソフィ」(サンマーク出版)から印象に残りましたところ「『考え方』こそが人生を大きく左右する」をご紹介させていただきます。

 

 

「稲盛和夫塾長」

稲盛さんは今年87歳になられます。ご存知のとおり京セラやKDDIを創業され、それぞれ1.5兆円、4.9兆円を超える大企業に育て上げ、倒産したJALの会長に就任されると、僅か2年8か月で再上場に導かれました。功績はそれだけではありません。日本発の国際賞「京都賞」を創設され人類社会に多大な貢献をもたらした人物の顕彰を続けられ、また中小企業経営者の勉強会「盛和塾」の塾長をつとめられ、1万3000人を超える経営者の指導にも心血を注いでこられました。

 

「『考え方』こそが人生を大きく左右する」

人生・仕事の結果=能力×熱意×考え方

 

人生や仕事の結果というものは、「能力×熱意×考え方」という方程式で決まると考えています。

稲盛さんも一流大学をでられたわけではなく、だから「能力」という点では決して一流とは言えないかもしれません。

しかし、誰にも負けない努力をするという「熱意」は、これからの自分の気の持ちようでいかようにもなるのではないかと考えられました。

先ほどの方程式によれば、「能力」と「熱意」を、足し算ではなく掛け算で計算するわけですから、どんな一流大学をでた人よりも、「能力」は多少劣っていても、ものすごい「熱意」を持った人の方がすばらしい結果を残すことができるはずだと思うのです。

例えば、「能力」80の人の「熱意」が10であった場合、その積は800です。一方、「能力」40の人が90の「熱意」をもってやった場合、その積は3600となります。足し算で考えるとその差はわずかですが、掛け算で考えるとその差は大きく開いてしまいます。

これに、「考え方」が掛かってきます。「考え方」にはマイナス100からプラス100まであります。先ほどの方程式は掛け算ですから、この「考え方」のところでネガティブなマイナスの考え方をしてしまうと、結果はマイナスになってしまいます。

世間にはよく、いい学校をでて、また決してそんなに怠け者でもないのに、業績が上がらない、会社がうまくいかないという人がいます。多分それは、「考え方」が少しマイナスであったりしていることが原因だと思います。

一方、「あの人は学校もでていないし、大した教養もない。だけど仕事が熱心で、人柄もいい」という人が立派な会社経営をしているというケースはいくらでもあります。それは、この「考え方」というものが、人生や仕事の結果に大きな影響を及ぼしているからです。

 

プラスの「考え方」

・常に前向きで、肯定的、建設的である、

・素直である、協調性をもっている

・真面目で、正直で、謙虚で、一生懸命、努力家である

・利他の心、感謝の心を持っている

・善意に満ち、思いやりがある

 

マイナスの「考え方」

・否定的で、非協力的である

・意地が悪い

・不真面目で、嘘つき、傲慢、怠け者

・不平不満ばかり

・自分の非を棚にあげて、人のせいにする

 

 

人生・仕事の結果の方程式は、自然の理法・宇宙の法則にもかなっているものです。宇宙というのは、ビッグバンをおこして始まったその瞬間から今日まで、一瞬たりともとどまることなく、生成発展する方向に動いてきたと言われています。

この世界、宇宙には、森羅万象あらゆるものを生成、成長・発展させる力があると考えられており、その力の源泉と考えられている自然の理法・宇宙の法則は、あらゆるものを生成、成長、発展する方向に働くと考えられています。

そうであれば、物事を良い方向に進めようとする「考え方」、プラスでポジティブな「考え方」をすれば、宇宙の法則に合うわけですから、その考え方にもとづいた行いは、宇宙の法則も味方してくれて、必ず成功するはずです。

 

 

人生においても、仕事においても、この「考え方」というものが、非常に大切です。

このプラスの「考え方」をもって、「熱意」をもって取り組めば、良い結果がえられる、という単純で基本的な原理が、人生を決定していく非常に大きなポイントになります。

実行すれば、必ず一人一人の人生にとってもプラスになります。

一人一人の仕事、人生、そして会社にとって、大きなプラスの結果をもたらせてくれることを信じて疑いません。

 

 

また稲盛さんはこのようにも言われています。

たとえ今いろいろなことがあったとしても、いまある目の前の仕事に脇目もふらずに、全身全霊を懸けることによって、必ずや新しい世界が展開していくことを理解してほしいです。いま自分がやらなければならい仕事に一生懸命打ち込んでいただきたい。それが人生を輝かしいものにしていく唯一の方法と言っても過言ではありません。

 

 

稲盛さんが、この人生・仕事の結果の方程式と、プラスの考え方の指針・集大成とでもいうべき「京セラフィロソフィ」を、京セラの社員の方に熱心に説かれ続けられたことはご存知のとおりで、そしてこれは、KDDIやJALにもひきつがれています。

今年もまたいろいろなことを学ばせていただいて、どんなときも、熱意とプラスの考え方をもって、一年がんばっていきたいと思いました年頭でした。

今年がまた皆さまにとって大いなる希望であふれる一年となりますように。

 

 

(参考文献 「京セラフィロソフィ」 著者 稲盛和夫 サンマーク出版)

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