松下幸之助さんの「道をひらく」

4月7日に発令された緊急事態宣言は当初5月6日までのものでしたが、これが今月末まで延長。自粛、在宅勤務、休業…、このことによる経済的打撃はあまりにも大きく、これまでの生活や仕事の中での当たり前であったものが当たり前でなくなってしまいました。

一方で、新規感染者数の減少、すすめられた医療体制の構築、新たな治療薬等の承認の動き、国内でも世界的でも一部で経済活動の再開の兆しが、少しずつではありますが光が見えかかってきているように思います。何としても…一日も早い収束と経済活動の再開を祈るばかりです。

今回は、松下幸之助さんの「道をひらく」(株式会社 PHP研究所)から印象に残りましたところを以下ご紹介させていただきます。

 

心を定めて

嵐が吹いて川があふれて町が流れて、だからその町はもうダメかといえば、必ずしもそうではない。十年もたてば、流れもせず、傷つきもしなかった町よりも、かえってよけいきれいに、よけいに繁栄していることがしばしばある。

大きな犠牲で、たいへんな苦難ではあったけれど、その苦難に負けず、何とかせねばの思いにあふれて、みんなが人一倍の知恵をしぼり、人一倍の働きをつみ重ねた結果が、流れた町と流れなかった町とのひらきをつくりあげるのである。一方はただ凡々。他方は懸命な思いをかけている。そのひらきなのである。

災難や苦難は、ないに越したことはない。何にもなくて順調で、それで万事が好都合にゆけばよいのだが、そうばかりもゆかないのが、この世の中であり、人の歩みである。思わぬ時に思わぬことが起こってくる。

心を定め、思いにあふれて、人一倍の知恵をしぼり、人一倍の働きをつみ重ねてゆきたいものである。

 

自分には自分に与えられた道がある。天与の尊い道がある。どんな道かは知らないが、ほかの人には歩めない。自分だけしか歩めない、二度と歩めぬかけがえのないこの道。広い時もある。せまい時もある。のぼりもあればくだりもある。

この道が果たしてよいのか悪いのか、思案にあまるときもあろう。なぐさめを求めたくなる時もあろう。しかし、所詮はこの道しかないのではないか。

他人の道に心をうばわれ、思案にくれて立ちすくんでいても、道は少しもひらけない。道をひらくためには、まず歩まねばならぬ。心を定め、懸命に歩まねばならぬ。

それがたとえ遠い道のように思えても、休まず歩む姿からは必ず新たな道が開けてくる。深い喜びも生まれてくる。

 

 

この時期、なかなか松下幸之助さんのように考えることは難しいですが、なんとか、負けずに、心を前向きに、ピンチをチャンスに変えていけますように。

 

まだしばらくの間は、ウィルスとの共存、段階的な制限緩和に耐えなければならない時が続きそうですが、早期の治療薬・ワクチンなどの開発承認がさらにすすんでいくことを信じて。

そして、またみんなで楽しいお酒を飲める日が早くきますように。

 

参考文献:「道をひらく」 松下幸之助 ㈱PHP研究所

We support the success of your dreams

お問合せ・無料相談