高橋恵さんの『営業の神様が笑う時』

「高橋恵さん」

高橋恵さんが42歳の時に自宅にワンルームマンションの一室で、お金もなく、もちろんコネもなく、起業されたサニーサイドアップというPR会社は、企業の商品の広報や、元サッカー日本代表の中田 英寿選手、陸上の為末 大選手などのスポーツマネジメントを手掛け、2012年には電通PRを抜き業界売り上げ一位になるまで急成長。

高橋さんの最大の武器は営業力。自らの半生を「無我夢中でおせっかいをばら撒いてきた」と表現され、70代に入ってからは「おせっかい協会」を立ち上げられ、コロナ禍の現在も無類の〝おせっかい〟で周囲の人々を明るく照らし続けられています。

高橋さんは3人兄弟で、20代のころにお父さんが戦死、お母さんは事業に失敗され借金でお父さんの形見の指輪までとられて無理心中まで考えられます。が、その時、ガタっという物音が玄関から聞こえたかと思うと、ガラス戸に一枚の紙切れが挟まっていて、そこには次のように書かれていたといいます。

「あなたには三つの太陽(子供)があるじゃありませんか。今は雲の中に隠れていても、必ず光り輝く時がくるでしょう。それまでどうかくじけないでがんばって生きて下さい」

その手紙はおそらく高橋さんのお母さんの窮状をみかねた近所の方だったのでしょう。お母さんは、その手紙を高橋さんたちに読み聞かせながら、ごめんね、ごめんねと誤って高橋さんたちを抱きしめられたそうです。

人間のちょっとした優しさに、人の命を救うほどの力がある。

この時の強烈な印象、そして一家を養うために身を粉にして働くお母さんの姿が、高橋さんのおせっかいの原点となり、また営業力の源泉になってられるということでした。

(「到知」致知出版社より)

  

「営業の神様が笑う時」

本書には、高橋さんに、いつも「営業の神様」が微笑んでくれてきた秘訣を記されています。以下印象に残りましたところを紹介させていただきます。

〇営業はあれこれ考えこむより、言ってみる、行ってみる、やってみる、がすべて。悩むより、実際にお客様を相手に試していくことでしか、本当のことはわかりません。感じたことがあれば、ぐずぐずせずに5秒で行動に移す。

〇損得にこだわらず、相手を喜ばせたいという気持ちで動いていると、不思議と困った時に助けてくれる人が現れます。そもそも、損得を考えている時間がもったいないと思いませんか。よく「頼まれた以上のことをやろう」と言われますが、「頼まれていない」こと以上です。

〇いくら情熱をもって動いても流れがこないときもあるのが営業という仕事です。でも、当たり前のことを丁寧に、心を込めてやる。見返りを求めず、お客さまの笑顔のために動く。そんなふうに損得抜きで行動することを、「宇宙銀行への貯金」と考えています。これまでいろんな方に助けられてきたのは、この貯金が「ここぞ」という絶妙なタイミングで降りてきてくれたのです。降りてこないのは、まだ機が熟していないのです。

〇手取り足取り教えてくれる上司、しっかり方向性が定まっている会社、ものわかりのいいお客様。そういうものすべてが整った環境が、果たしてあるのでしょうか。ちょっと足りないものがあるからこそ、自分の思いがお客様に届いたとき、人の優しさや好意に触れたとき、心から感謝ができるのです。

〇自分を売るのに必要なもの。それは、お客様の心を動かす人間力です。人間力についてはさまざまな解釈がありますが、人間力=おせっかい力と考えています。おせっかいとは、見返りを求めず、ただただ相手のためを思った親切な行動のことです。要は、「人のために何かしてみよう」ということなのです。

    

高橋恵さんの本を拝読していてもそのパワーに圧倒されっぱなしです。今十分な結果がでていなくても、行動して、宇宙銀行に貯金していると考えて、あきらめずに乗り切っていきたいと思う今日この頃でした。

  

参考文献  「営業の神様が笑う時」高橋 恵  秀和システム

      「到知」 致知出版社

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