確定申告では大変お世話になりました。この場をおかりして改めて御礼申し上げます。
伊那食品工業さんには平成25年に企業見学に行かせていただいたこともあり、当時もご紹介させていただいたこともあるのですが、改めて本書から印象に残りましたことをご紹介させていただきます。
伊那食品工業株式会社は、長野県伊那市にある寒天のトップメーカーで、1958年から48年間増収増益を達成し、現在の売上高は200億円、経常利益率は10%。
「日本でいちばん大切にしたい会社」(坂本光司氏著 あさ出版)でも紹介されたり、トヨタ自動車の豊田章男社長も学ばれているという素晴らしい会社です。
- 会社は社員を幸せにするためにある。そのことを通じて、いい会社をつくり、地域や社会に貢献する。
- そのことを実現するためには、『永続する』ことが一番重要
- 会社を強くするもの、それは「社員のやる気を引き出すこと」。
- 経営とは『会社の数字』と『社員の幸せ』のバランスをとること。
- 成長とは、「以前よりも会社がよくなったと社員が感じること」。
- 目指すべきは、数字だけの「良い会社」ではなく、自分たちを含め取り巻くすべての人々をハッピーにする「いい会社」。
伊那食品の経営理念は、「企業は社員の幸せを通して社会に貢献すること」です。社是は「いい会社をつくりましょう。~たくましく そして やさしく~」です。
塚越会長が、会社を「いい会社」にして「永続」させなければならないと、考え始められたころ、二宮尊徳の次のような言葉に出会われ、以来伊那食品の経営戦略としてこられたということです。
それ遠きをはかる者は百年のために 杉苗を植う
まして春まきて秋実る物においてをや
故に富有り
近くをはかる者は 春植えて秋実る物をも尚遠しとして植えず
ただ眼前の利に迷うてまかずして取り
植えずして刈り取る事のみ目につく
故に貧窮す
経営に即効薬はない。
社員のみんなが当たり前のことを当たり前にできるようになる。
遠きをはかって、地道に努力するしかない。
大切なことは、どんな小さなことでもいいから、今からできることをすぐに始めること。
これも塚越会長の持論です。
どうしても目先のことばっかりになってしまいがちです。
まず、遠きをはかりて、今からできることをはじめて地道に努力を続ける。
そして少しでも「いい会社」に近づきたいと思った今日この頃でした。
参考文献:「リストラなしの『年輪経営』」(光文社) 著者 塚越 寛