皆様こんにちは、今年もゴールデンウィーク、皆様いかがお過ごしでしょうか。トランプ関税ショックで為替や株価、景気の不透明感が増していますが、早期の収束を祈るばかりです。
今回は、100円ショップ「ダイソー」の創業者、矢野博丈さんの講演CD(「100円ショップダイソーの商人道」経営合理化協会)を拝聴する機会に恵まれましたので、ご紹介させていただきます。
「矢野博丈さん」
矢野博丈さんは、100円ショップの草分け的存在である「ダイソー」を運営する大創産業の創業者で、昨年2月に80歳で亡くなられました。34歳のとき100円ショップの大創産業を設立されますが、自ら「転職10回、夜逃げ同然1回、火事1回」を経験されたとお話をされるとおり、人生、経営者としての道は波乱万丈。そのたびに奮起されて、「つぶれる、つぶれる」と言われ続けた大創産業は、今や世界26か国・地域で5000店超を展開し、売上高は6000億円を超える会社に成長されました。今回は講演CDから印象に残りましたところを、そのままご紹介させていただきます。
「100円ショップダイソーの商人道」から
人生とか会社というのは、常に崖っぷちを歩いているんですよ。
あの徳川時代でも、ローマでも潰れていくんですから、安心した瞬間から退化がはじまりますから。
若いころ学校出て、10年で職を10回かわって、夜逃げして、火事にあって、会社は倒産する、当時は自殺するしかないと思ったりもしました。学校をでたときから艱難辛苦という背後霊にうしろから羽交い絞めにされて、いいことなんか一つもなかったんです。
ただ、恵まれなくても、体が元気で頑張れるだけありがたい、ありがたい、と思えたのが幸せでした。
よく、どん底にはいったときどのようにして自分をぬけだすんですかと、質問されるんですが、私は仕方がない、仕方がないと、自分に言い聞かせてきたんです。
私は艱難辛苦のおかげで3つの言葉というか自分の哲学を持てたんです。
一つ目は、「恵まれない幸せ、恵まれる不幸せ」
恵まれないから頑張れるんです。恵まれる場面にあうために。
戦国時代をみても、織田信長、武田信玄、斎藤道三、みんな恵まれなかったんです。豊臣秀吉はもっと恵まれなかったのですが、恵まれなかった武将がみんな立派になって、もっとも恵まれていた今川義元がすぐ殺されてしまったわけです。ですから、恵まれないものを我々に与えて下さって、がんばらなくちゃ仕方がないと思ってやってきたんです。
二つ目は「仕方がない、仕方がない」
織田信長でさえ明智光秀に襲われたとき「是非もない」今の言葉でいうと「仕方がない」と言って死んでいったのですから、我々のような凡人のバカは、仕方がないという言葉、しょうがない、自分に運も実力がないんだから仕方がないと、自分に言いきかせて逃げてきました。 その時その時、現実を認めて、足りないところを努力してやっていくしかなかったんです。
最後三つめは「ありがとう、感謝します。」この3つ言葉でやってこれたような気がします。
最終的に幸せになれる根本は感謝です。ありがとう。感謝です。これしかないと思います。
この商売で何とか食えるようなったかなというとき、放火だったんですけど火事にあって、商品とトラック、家も全部焼けて。保険にもはいっていませんでしたので、本当にお金がなくなりました。この時、お金のありがたさ、100円でも貯金しようとするようになれて、お金の大切さを学ばせてもらいました。
火事のおかげで、お金に対する感謝力がもてて、きっとこの子は100円も大切にする子だと、運命の女神も思ってくれて、こんなによくなれたんだと思います。あの火事にあわなかったらこんなになれなかったでしょうね。感謝、感謝です。
それまで、人生には無駄しかないとそれまで思っていたんですが、本当に人生には無駄なものは一つもなかったんです。あんなこともあった、こんなこともあったと、今ふりかえってみますと、全部そのおかげで今日ができあがりました。本当に感謝です。
あるとき本屋で「ありがとうという奇跡のことば」という本をたまたま見つけて買って読みました。ありがとう、ありがとうと言っていたら、いいことがおきる、という本だったんです。そんなことはないだろうと思ったのですが、いいことが何もなくて背に腹はかえられないので、ありがとうと言うのはただですし、お風呂にはいっているとき、運転しているとき、歩いているとき、ありがとう、ありがとう、ありがとうって言うようにしたんです。1日2万回ぐらいすぐ言えるんです。そしたら、だんだんいいことがおきるようになっていんたんです。この「ありがとう」という言葉には不思議な力があるんです。本当に奇跡がおきます。僕は頭が悪いのですぐに信じてしまうんです。そしたら結果オーライになりました。
私は本当にこの3つの言葉で、大きくなれて、みんなからも潰れる、潰れると言われた会社が、本当にとてつもない会社になれたような気がします。
あとは、よく働きました。働くことが大好きでした。それから一生懸命やる、ああでもない、こうでもない、繰り返して、何百万回やってきたような気がします。前にすすんでいこうと思ったら、一生懸命やることがすべてじゃないでしょうか。
なんか不思議なくらい元気をもらえたCDでした。矢野さんが言われている1万分の1でもやってみて、少しでもよくなっていけたらと思った今日この頃でした。
参考文献: 「100円ショップダイソーの商人道」CD 日本経営合理化協会