今年の夏は本当に暑さの厳しい日がいまだ続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。秋の気配を感じるようになりました。今年ももう9月です、早いですね。
今回はいつも本屋さんにおかれていて気になっていた「仕事は楽しいかね?」(きこ書房 デイル・ドーデン著 野津智子訳)をお盆休みに拝読しましたので、ご紹介させていただきます。
出張の帰りに、大雪のため一昼夜空港のロビーに足止めされた主人公。そこで出会ったある老人に、仕事で鬱積した感情をぶつけてしまいます。老人は実は高名な実業家。その含蓄ある言葉に主人公はしだいに仕事観を揺さぶられていきます。本書はそんな主人公が、老人のアドバイスに自己変革のアイデアを見いだしていく、そんな物語でした。以下、老人から主人公にむけた言葉で印象に残りましたところを、引用、ご紹介させていただきます。
「仕事は楽しいかね?」
〇僕(老人)は、たった一つしか目標を持っていない。毎日毎日、違う自分になること。
これは「試すこと」を続けなければならないということだ。そして試すこととは、あっちにぶつかり、こっちにぶつかり、試行錯誤を繰り返しながら、それでもどうにかこうにか、手当たり次第に、あれこれやってみるということだ。
頭にたたき込んでおいてほしい。何度となく「表」を出すコインの投げ手は、何度となく投げているのだということを。そして、チャンスの数が十分にあれば、チャンスはきみの友人になるのだということを。
〇(主人公たちが始めた事業がライバル会社がやってきたために撤退、失敗することになってしまったことについて)きみたちの計画は、一見申し分なかったように見える。
だけどきみたちは何も試さなかったし、よりよいものになってもいかなかった。ライバル会社にとっては、止まったまま動かない標的だったんだ。新たにやってこようとする会社ならどこでも、きみたちの店を訪れ、どういう展開をしているかを見て、それにちょっと工夫を加えてよりよいものに改良できる。きみたちは、つぶされるべくしてつぶされたってことだよ。
きみたちの事業は、試してみた結果、失敗に終わったんじゃない。試すこと自体が欠落してたんだ。
〇僕(老人)は、試してみるすべてのことがうまくいくとは言ってないし、すべての決定が素晴らしいものだとも言ってない。そんなことはあり得ないよ。
きみにわかってもらいたいのはね、アイデアというものはなかなかうまくいかないかもしれないけれど、試してみることはそうじゃないってことなんだ。
いいかい、何かをやってみて、それがろくでもないアイデアだとわかったとき、きみはもとの場所に戻ることは絶対にない。必ず何かを学ぶからだ。学ぶことが何もなかった場合は、その前にしていたことに高い価値をおくべきだってこと。そういう意味で、試してみることに失敗はないと思っている。
いつも楽しくやって、新しいことを試してみて、いつもしっかり目を開けておいてほしいってことなんだ。
〇きみが「試すこと」に喜びを見い出してくれるといいな。
アイデアをいっぱい持つこと。あらゆることをやってみること。明日は今日とは違う自分になること。そして朝を待ち焦がれる、幸せなサムライの一人になってくれ。
本書は最後に「変化は難しく、試してみることは簡単だ」という言葉で締めくくられていました。小さなTRYを継続できるように意識して、今年残り4カ月のりきって、いい年にしたいと思った今日この頃でした。
参考文献:「仕事は楽しいかね?」 (きこ書房 デイル・ドーデン著 野津智子訳)