「奇跡を起こす方程式」

新年あけましておめでとうございます。皆様旧年中は大変お世話になりました。

心より御礼申し上げます。今年こそ新型コロナウィルスが一日も早く収束し、今年一年が皆様にとって素晴らしい一年でありますように。今年一年どうかよろしくお願いいたします。

今回は、プロゴルファーの古市忠夫さんと指揮者の佐渡裕さんが「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」(致知出版社)の中で語ってられた「奇跡を起こす方程式」から、印象に残りましたところを引用ご紹介させていただきます。

「奇跡を起こす方程式」

古市忠夫さんは、もともと神戸市長田区カメラ店を経営されていましたが、1995年古市さんが54歳の時に、阪神・淡路大震災が発生。自身および家族は無事だったものの、自宅・店舗が全焼しました。唯一、自宅から離れた駐車場に止めていた愛車に残っていた家財道具である愛用のゴルフバッグ一式を見付け、それまでゴルフが好きでクラブチャンピオンに輝くほどの腕前であったこともあり、カメラ店の経営に代わってプロゴルファーとして身を立てることを決意されます。それから4シーズンにわたるシニアツアーへの参加を経て、1999年に友人の勧めでPGAのプロテストを受験されるも落選。以前からされてこられた自治会長としての活動などで練習の時間や環境が十分に確保できないなか、還暦間近の2000年に2度目の受験で合格されました。合格時点での年齢は59歳11ヶ月でした。

古市さんの震災からプロゴルファーになるまでを平山譲さんが綴った作品「還暦ルーキー —60歳でプロゴルファー」(講談社、2001年)は、ビジネスジャンプで漫画化され、さらに、2006年には、赤井英和さんが主演する映画「ありがとう」として公開されました。また、NHKのドキュメンタリー番組「にんげんドキュメント」などでも取り上げられ、古市さんの生き方は多くの人に影響を与えました。

以下、「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」から引用させていただきます。

『最近、なんで俺がこんなありえない人生を歩んでいるんだろうと考えた時、「奇跡を起こす方程式」を思いついたんです。

「奇跡=才能×努力×感謝力」

才能や努力ではプロテストを受ける二十代の若者には敵いません。しかし、感謝力だったら負けない自信がある。

阪神・淡路大震災に遭うまでは、どんな状況でも不撓不屈で頑張ることのできる人が勇者だと思っていました。でも、真の勇者は頑張れることへ感謝できる人なんですね。

才能と努力だけで栄光を掴みにいくと、うぬぼれるから怖いのです。最後の一打で手が届かなかったりする。だからプロテストを見ていても、通る、通らないというのは大体分かります。 どこで見極めるかといえば、まず、感謝力が強い人はきちんと挨拶をします。こっちが一礼して「おはようございます」と挨拶しているのに、首だけでペコッとかいうのは挨拶ちゃうで。

それから歩き方。大地を踏みしめて、胸を張ってスーツと歩ける人は通ります。どんなにミスをしても、頑張れることへ感謝できる人はオドオドしない。人生は最後の最後まで分からない、というのが私の持論です。

私たちは震災であまりにも多くのものを失いました。しかし、それによって大切なのは物ではなく、お金でもなく、地位や名声でもない。人の愛であり、優しさであり、人を思いやる心であり、感謝であり、積極的な心だと分かった。

そのおかげで、いま、私は夢のような人生を歩んでいる。人生、何がピンチで何がチャンスか、その時点では判断できないと思うんですよ。

でも、どんな時でも正直に、悔いなく、感謝の心を持って生きると、ものすごいパワーが生まれて奇跡を起こしてくれる。それは誰が起こしてくれるのか? 奇跡は周囲の人が起こしてくれるものなのです。』

指揮者の佐渡裕さんも「奇跡をおこす方程式」について、同様のことを語られています。以下引用させていただきます。

『僕のプロフィールにはいっぱい成功した経歴が書いてあるかもしれません。ただやっぱり、その何十倍も失敗し悔しい思いを味わってきたのでそういう経験から得たものが大きいのかなと思うんです。

成功して意気揚々と帰ってくることもあれば、失敗した悔しさのあまり疲れているにも拘わらず全然寝れずに一晩過ごしたこともある。でも成功している自分も失敗している自分も含めて子供の時からあこがれていた指揮者になっていること自体が本当にありがたい話なので。悔しい時ほど「ありがとう」という言葉が自分を元気にしてくれるし、次に向かう原動力になると思うんです。

音楽の世界では才能や運っていうのは確かに一つの大きな要素かなと思います。ただこれは僕の大好きなプロゴルファーの言葉なのですが「奇跡をおこす方程式」が存在すると。才能、運、努力。これらは足し算だが掛け算になるものが一つだけある。それは感謝力だと。

例えば何でこんな大事な演奏会の日に雨が降るんだとか、何でこんな音響のわるいホールで本番をやらなきゃいけないんだと思ったら感謝力は0.7になってしまい、さっかくそれまで足してきた才能も運も努力も全部マイナスになる。

奇跡をおこせる人間は失敗したときにこそ「ありがたい」と感謝できるんです。』

感謝力をもつことの大切さは多くの方が言われているところですが、実際に逆風の中で実践することは難しいです。ただ、少しでも、与えられているものに目を向け、幸福幸運に感謝し、小さくても奇跡をいっぱい引き寄せて、良い年にしたいと思いました。

今年がまた皆さまにとって大いなる希望であふれる一年となりますように。

 (参考文献 「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」(致知出版社))

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