ふるさと納税「ポイント還元」が終了

ふるさと納税制度を利用される方々にとって、ポータルサイトによるポイント還元は一つの利点として認識されてきました。しかし、この制度は間もなく変更され、2025年9月末までの寄付分で終了する運びとなります。

以下、ふるさと納税におけるポイント還元制度の終了に関する詳細について解説します。

■ポイント還元制度終了の経緯

これまで、ふるさと納税の仲介サイトは、寄付額に応じたポイント還元を実施することで、利用者の獲得競争を促進してまいりました。しかしながら、このような過度なポイント付与競争は、自治体がポータルサイトに対して支払う手数料の増加を招き、結果として地方自治体の財政を圧迫する可能性が指摘されておりました。

この状況を受け、総務省はふるさと納税制度の健全な運用と、自治体の負担軽減を目的として、2024年6月にポイント付与制度の全面的廃止の方針を公表しました。これにより、2025年10月1日以降の寄付については、原則としていかなる仲介サイトにおいてもポイント還元は提供されなくなります。

■今後のふるさと納税制度の運用について

ポイント還元制度の終了後も、ふるさと納税制度そのものは継続されます。引き続き、寄付額に応じた所得税および住民税の控除を受けることができるという本質的なメリットは維持されます。

ただし、ポータルサイトにおけるポイント還元がなくなることに伴い、今後は以下の点に留意してふるさと納税を行うことが推奨されます。

  • クレジットカード決済によるポイント還元: ご利用のクレジットカード会社が提供するポイント還元は、今後も継続されます。高還元率のクレジットカードを利用されている場合は、引き続きその恩恵を受けることが可能です。
  • 自治体独自のポイント制度: 一部の自治体では、寄付額に応じて自治体内で利用可能な独自のポイント制度を設けている場合があります。これらのポイントの有効期限や利用条件は自治体ごとに異なるため、事前に各自治体の情報を確認する必要があります。
  • 返礼品の選定: ポイント還元が廃止されることで、より一層、返礼品そのものの魅力がふるさと納税先を選択する際の重要な要素となるでしょう。各自治体が提供する特色ある特産品やサービスへの注目が高まることが予想されます。

■楽天グループによる行政訴訟の提起

総務省によるポイント付与禁止の告示に対し、ふるさと納税ポータルサイト「楽天ふるさと納税」を運営する楽天グループは、2025年7月10日、東京地方裁判所に行政訴訟を提起しました。

楽天グループは、今回の総務省の告示が、「ポータルサイト事業者へ過剰な規制を課すものであり、ふるさと納税の根拠法規である地方税法の委任の範囲を超え、総務大臣の裁量権を逸脱・濫用する違法なものである」と主張しています。同社は、2015年から「楽天ふるさと納税」を運営し、10年以上にわたり楽天ポイントの付与がふるさと納税の普及促進に大きく貢献してきたこと、特に2019年以降は自治体に負担を求めず、楽天が自社負担でポイント付与を行ってきたことを訴えています。また、クレジットカード決済による通常のポイント付与が引き続き認められているにもかかわらず、ポータルサイト事業者に対してのみ全面的な禁止を課すことは不公平であり、営業の自由を過剰に規制するものとも主張しています。

 

■ポイント還元制度利用の最終期限

現在、ふるさと納税のポータルサイトにおいてポイント還元を利用できるのは、2025年9月30日までの寄付分に限られます。この期限を過ぎた場合、従来のポイント還元を受けることはできなくなります。楽天の訴訟の行方は現時点では不透明であり、現行の総務省の方針としては、2025年9月末でのポイント還元終了に変更はありません。

したがって、ふるさと納税におけるポイント還元の活用を検討されている場合は、2025年9月末までに寄付の手続きを完了させることを推奨いたします。

We support the success of your dreams

お問合せ・無料相談