無能唱元さんの「人蕩し秘伝」と少女パレアナ

ゴールデンウィークもおわり皆様いかがおすごしでしょうか。平素は大変お世話になりありがとうございます。今年もあっというまに4か月が過ぎました。本当にはやいですね。それにしてもメジャーリーグの大谷選手の活躍はすごいですね。どんなことがあっても最高のパフォーマンスでこたえる心の持ち方、強さにはただただ驚愕です。今回は、ふとしたことから拝読しました無能唱元さんの本「人蕩し秘伝」(経営合理化協会)(以下「本書」といいます)にでていた「少女パレアナ」(エレナ・ポーター著 村岡花子訳 角川文庫)について印象に残りましたことをご紹介させていただきます。

無能唱元さん

無能唱元さんは、15年間の参禅修行中に、「自分の人生の成功や幸福はすべて自分の潜在意識『アラヤ識』がつくりだすもの」という悟りを得て、飛騨の円空庵禅通寺小倉賢堂師より「唱元」の法名を授かられます。その後、数多くの仏典や西洋哲学、心理学を学び、一宗教を超えた「人蕩術」という、これまでにない願望達成法を完成、積極的で成功する生き方を指導されておられました。とくに経営層に人気が高く、人生哲学、リーダー学の師として敬愛される存在でしたが、平成23年逝去されています。

本書にも次のようなことが書かれていました。

〇もしあなたが「成功したい」「豊かに生きたい」「健康に生きたい」「幸せになりたい」と願っているなら「陽転思考」を自らの心に課し、それをもって自らを鼓舞してください。

〇人間の陰の思考から生じた因からは、陰の結果が生じ、陽の思考から生じた因からは、陽の結果が生じる

〇日常、「陽の思考」に加えて、「陽の感情」で過ごしてください 〇心配や怒り不満などは放っておいても自然にどんどん発生してくるが、安心、平安、感謝は自己コントロールをもって生じさせなくてはならない

しかし、本書にも書かれていますが、「陽の思考」については比較的容易に励むことができても、いろいろなことがあるとなかなか「陽の感情」で過ごせなくなります。すぐに灰色の感情になってしまいます。

そんな中で、「少女パレアナ」の話がでてきます。

「少女パレアナ」

本書に無能唱元さんが偶然3人の女性から聞いた同じ話というのがでていました。ある時ある女性から、「少女パレアナ」というアメリカの少女小説を読んだら、そこに「なんでも喜ぶゲーム」という遊びのことが書いてあって、それに興味を覚えて自分でも試してみたら、とにかく幸せなことがいっぱいおこってきました、という話をきかれました。それから半年後、また別の女性から、「少女パレアナ」を読んで同じような体験をされたという話をきかれました。さらにその3日後にまた別の女性から同じような話を聞かれ、仰天されます。

「少女パレアナ」の話とは次のような話ではじまります。 愛する両親を亡くし、孤児になってしまった幼いパレアナは、気難しくて頑なな叔母に引き取られ冷たくされます。そこでパレアナは「何でも喜ぶゲーム」をします。それは、父親が聖書の中の言葉から考え出した遊びであり、パレアナが両親からもらったただ一つの財産でした。裕福であった叔母から鏡もない粗末な部屋をあてがわれたパレアナは、「鏡がないのもうれしいわ。鏡がなければ、ソバカスが見えませんものね」と言ってにっこりと笑います。鏡がない粗末な部屋に喜びを見つけるのが、「何でも喜ぶゲーム」でした。

パレアナは、この「何でも喜ぶゲーム」で町中の人気者になります。意固地で誰とも話をしなかった老紳士から、ひねくれ者でねたみばかり言っている寝たきりの病人に至るまで、みんなパレアナと友達になっていきます。

以下、無能唱元さんの言葉です。

老いあるゆえに、生きている日々の一瞬一瞬がいかに貴重なことか。病いあるゆえに、健康であることがいかにありがたいことか、死あるゆえに、この命のなんと素晴らしく尊いことか。

お釈迦様は、四苦あるゆえに、人生に喜びが初めて存在しうるのだと悟られたと思うのです。

そして、この世はすべてあるがままで、自分の思考を変えるだけで、自分の世界を苦にも楽にもなしえるものだと気づかれたと、非常に簡単に解釈しているのです。

さらに、 「少女パレアナ」の物語を通じて語られる「なんでも喜ぶゲーム」について、次のように続けられています。

それは決して「たんなるお人よし」にできることではありません。それには、「強い意志」と「たゆまざる努力」が必要なのです。

実践は難しいかもしれませんが、あらためてなるほどと思った今日この頃でした。

参考文献:「人蕩し秘伝」 (無能唱元 経営合理化協会)

    「少女パレアナ」 (エレナ・ポーター著 村岡花子訳 角川文庫)

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