金利上昇ニュース、うちの会社はどう影響する?

~事業の資金繰りから住宅ローンまで、「今できる対策」を一緒に整理しましょう~

1. いよいよ始まった「金利がある世界」

日本銀行の利上げが続き、ニュースでも「金利上昇」の話題をよく目にするようになりました。超低金利が当たり前だった時代から一転し、「金利があるのが当たり前」の時代へと大きくシフトしています。

「金利が上がると、うちの会社には具体的にどんな影響があるの?」とお悩みの方も多いかと思います。大きな影響は次の2点です。

・毎月の利息負担が増える(最終利益を圧迫) 変動金利で借入をしている場合、毎月の返済額のうち「利息分」が増えていきます。特に利益率がカツカツな事業ほど、じわじわと資金繰りに影響してきます。

・取引先の資金繰りやコスト増加の影響を受ける 自社だけでなく、仕入先や販売先も同じように金利上昇の影響を受けています。取引先の資金繰りが厳しくなって支払いが遅れたり、仕入価格の値上げを求められたりするケースも増えてくる予想です。

2.今ある借入のチェックと、まずやっておきたいこと

まずは、現在受けている融資の状況を把握して、先手を打っておくことが大切です。

・いま借りているお金の「条件」を確認しましょう 手元にある借入一覧表を開いて、「固定金利か変動金利か」「現在の金利は何%か」を確認してみましょう。「もし金利が0.5%~1.0%上がったら、年間でいくら利息が増えるか」を一度計算してみることをおすすめします。

・手元のキャッシュ(運転資金)をしっかり確保 利息が増えても慌てずに返済を続けられるよう、本業での資金創出力を高めておきましょう。売掛金の回収を早めたり、使っていないサブスクや不急の経費を削減したりして、手元資金を少しでも厚くしておくことが一番の予防策です。

3.手元資金に余裕があるなら「返す」?それとも「投資する」?

事業資金や個人資産に少し余裕がある場合、「金利が上がるなら繰り上げ返済や一括返済をしておいた方がいいのかな?」と迷われる方も多いのではないでしょうか。

実は、とにかく返せばいいというわけでもありません。手元資金の「一番賢い使い道」を考えてみましょう。

(1) 返済の優先順位(金利の高さ × 借入残高の大きさ) 繰り上げ返済をする場合、一番効果が高いのは「金利が高い借入」から返すことです。 ただし、金利はそこそこでも「残高がものすごく大きい借入」にも注目してください。残高が大きいと、金利が0.5%上がっただけでも「支払う利息の金額(絶対額)」が毎月どんと増えてしまいます。

判断に迷ったら、【年間で払っている利息の額(=残高×金利)】を計算してみて、支払額のインパクトが大きいものから優先的に返すのがおすすめです。

(2) 「返済」と「設備投資・資産運用」のバランス 手元の資金を借入金の返済に使うということは、「返済によって利息を減らす効果」を得るということです。一方で、そのお金を「事業の設備投資(省力化や新サービス)」や「資産運用」に回したほうが、より大きな利益を生み出せる場合もあります。

「返済して確定で利息を削るか」「投資に回して事業や資産を増やすか」を天秤にかけて判断しましょう。

(3) 一番大事なのは「固定費ベースの防衛資金」を残すこと 返済や投資に資金を回す際、手元のお金を使いすぎてしまっては元も子もありません。 売上が万が一落ち込んでも会社を守れるよう、人件費・家賃・利息支払いなどの「毎月必ず出ていく固定費の3~6ヶ月分」は、絶対に手元に残した上で余剰資金を使うようにしましょう。

4.これからの新規借入・設備投資はどう考える?

これから新しくお金を借りたり、設備投資をしたりする際は、今まで以上に「使い道」と「返し方」の吟味が必要です。

・「固定金利」と「変動金利」の使い分け これからさらに金利が上がる可能性を考えると、長期で返す設備投資の資金などは「固定金利」で借りて返済額を確定させておくのが安心です。逆に、短期で返す運転資金であれば「変動金利」を選ぶなど、用途に合わせた使い分けがカギになります。

・公的融資(日本政策金融公庫など)を上手に活用 日本政策金融公庫や自治体の制度融資など、特定の条件を満たせば低金利や固定金利で借りられる公的な制度もあります。民間の銀行融資と併せて、積極的に検討してみましょう。

5.気になる「住宅ローン」の返済はどうする?

経営者ご自身やご家族、従業員の皆様にとっても、住宅ローンの金利上昇は関心の高いテーマだと思います。

・「繰り上げ返済」と「NISAなどの資産運用」、どっちが正解? 住宅ローンも「繰り上げ返済をして毎月の負担を減らす(または返済期間を短くする)」選択肢と、「手元資金をNISAなどで運用に回す」選択肢があります。 住宅ローンの金利がまだ低い水準(1%未満など)であれば、急いで返済せずに運用に回す(または手元に置いておく)方が効率的な場合もあります。ご自身のライフプランや安心感のバランスで選ぶのがポイントです。

・家計の防衛資金も「固定費ベース」で 家計においても、住宅ローン返済や生活費などの「毎月の固定費」の半年~1年分程度は手元に置いたうえで、余った資金を繰り上げ返済や運用に配分するのが安全です。

・変動金利の「5年ルール・125%ルール」にご注意 変動金利の場合、金利が上がっても毎月の返済額がすぐに増えない仕組み(5年ルール等)になっていることがあります。「返済額が変わっていないから大丈夫」と思っていても、実は「利息の割合増えて元金が全然減っていない」という状況になっているケースもあるので、一度返済明細を確認してみましょう。

6.変化をチャンスに変える財務体質へ

金利上昇と聞くと少し身構えてしまいますが、見方を変えれば「無駄なコストを削り、本当に必要な投資を見極める良いきっかけ」でもあります。

「とりあえず借りておく」時代から、「手元資金をどこに配分するのがベストか」を戦略的に考える時代へ。当事務所では、貴社の借入金の分析や、金利上昇時の影響シミュレーション、固定費ベースでの適切な手元資金の算出などを一緒にサポートしております。

「うちの会社の場合はどうだろう?」と気になった方は、いつでもお気軽にご相談ください。

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