昼間は暖かい日も増え、今年も早いものでもう3月下旬となりました。確定申告では大変お世話になりました。この場をおかりして改めて御礼申し上げます。
今回はふとしたきっかけから頂きました「幸せの入り口屋いらっしゃいませ」(著者 西亀 真 ごま書房新社)から印象に残りましたところを引用ご紹介させていただきます。
西亀 真さん
三重県在住で阪急百貨店でSEとして約20年勤務されていた西亀さんは、47歳のとき、「網膜色素変性症」と診断され、やがて失明すると宣告されます。当時の西亀さんの趣味はテニス、スキー、サーフィン、クレー射撃、書道でした。その楽しみの一つ一つができなくなっていく、最後には何も残らず、何もできなくなってしまう。そんな不安と恐怖と、情けない気持ちでいっぱいだったといいます。そんなある時、街中で年輩の女性にぶつかってしまい、その方は大きな声で「かなわんわぁ、この人。変な人やわぁ」と大勢の前で西亀さんをしかる。西亀さんは何度も「すみません、すみませんでした。」と謝る。そして別れた後、「変な人」になっていく自分がとても悲しくて、涙がこぼれたといいます。
「何とかしなきゃ」西亀さんは「知らないところに、一人で行けない」コンプレックスを克服しようと、全国47都道府県一人旅へ挑戦されます。以下引用させて頂きます。
「すみません」を一万回、言い慣れる旅へ
「どうして知らないところに、ひとりで行けないのだろう」と向き合ってみて思ったこと。
道に迷えば誰かに助けを求めなければなりません。白杖を片手に、まわりに向かって声をあげます。「すみませぇーん…、すみませぇーん…、すみませぇーん…」誰かが応えてくれるまで、声をあげつづけます。まわりに誰もいなかったり、いても忙しくて返事ができなかったり。それでも、声をあげつづけます。そうしていると、だんだん悲しくなっていきます。
応えてもらえない自分が、哀れで、みじめで、かわいそうになってくるんです。心が傷ついてしまう。だから、「傷つきたくないから、知らないところには行かない」と、いつのまにか自分で枠をつくっていたのです。勝手な想像をつくりあげていたのです。
しかしこのままでは、いつまで経っても「自分の殻」に閉じこもったままです。これからの人生、自由を失ってしまったのも同然。ぜんぜん面白くありません。
訪問営業のセールスマンは、一日何十軒もの家をまわります。もちろん話を聞いてもらえず、門前払いは当たり前。断られ続けていると、だんだんと玄関のチャイムを押すのが怖くなってくる、といいます。克服する方法は、たったひとつ。
「断られることに、慣れる」それしかない、とのことでした。
「そうか。じゃあ、『すみませぇーん』を1万回ぐらい言って、言い慣れればいいんだ」
自分でつくった枠から逃まわることをやめました。
そして西亀さんは、多くの人に助けられ、また多くの人に感動を与えながら、みごと全国47都道府県一人旅をやり遂げられます。以下も引用です。
挑戦に充ちた、ニューヨークひとり旅
神様の作ったパズルを解いていく。ごみ箱に捨てていたピースを拾い上げて、そっとはめ込み、「自分の人生」というパズルを完成させていく。
これまで私は、「盲人の私にはできません」と言って、いくつものピースをゴミ箱に捨てていました。たとえば、「知らないところには、ひとりで行けません」「温泉にひとりで入るのは無理です」「バイキング形式の食事もムリです」などのピース。
しかし、47都道府県ひとり旅を経て、「すみませぇーん」を1万回言い続けて、捨てていたはずのピースが、自分の人生にどんどんハマっていったのです。避けていたけれど、やってみたら簡単にピッタリとハマるピースばかりでした。そして何より、ハマったことで、次のピースもはめ込むことができて、自分の可能性が大きく広がっていきました。まさに、「一点突破の全面展開」です。ひとつできた、ということは、この先ずっと「できる」がつづく、「一生涯の宝物」です。できることが増えるって、本当に幸せなことです。ワクワクすることです。
私はまた、ごみ箱から一つのピースを拾い上げました。そこには、「海外旅行なんて、絶対ひとりではムリ」と書かれていました。
そして、挑戦。ニューヨークひとり旅をもみごとやり遂げられます。
西亀さんはこのような挑戦、体験を重ねられる一方、自分のわがままから迷惑をかけたり、わがままに応えてもらえたことに対して、何としても恩返しをという思いから、本書をかかれたり、現在講演活動等を通して、多くの方に元気と勇気を与えられています。
西亀さんからのメッセージです。
「決して 決して あきらめないで あなたの夢を」
このような素晴らしい本に出会えましたことに感謝、感謝。そして、まだまだ挑戦する勇気を持ち続けたいと思った今日この頃でした。
参考文献:「幸せの入り口屋いらっしゃいませ」(著者 西亀 真 ごま書房新社)