安田善次郎さんの「現代語訳 意志の力」

コロナ第7波の感染拡大がなかなかおさまらないなかですが、今年も早いものでもう9月となりました。皆様お元気でお過ごしでしょうか。今回は、安田財閥の創始者である安田善次郎さんの「現代語訳 意志の力」(星海社新書)から、印象に残った部分を紹介させていただきます。

安田善次郎さん

安田善次郎さんは半農半士の貧しい家庭に生まれ13歳の時に大商人になろうと決意、20歳から奉公人として働き、後に、安田銀行(現・みずほファイナンシャルグループ)、帝国海上保険(現・損保ジャパン)、共済生命保険(現・明治安田生命保険)などを設立し、一代で安田財閥と国家予算の八分の一に相当する莫大な資産を築きあげられます。当時の社会の重要分野に多額の出資、融資を行い近代日本国家の土台を支え続けられたと言われています。

以下、「現代語訳 意志の力」(星海社新書)から、引用させていただきます。

「現代語訳 意志の力」から

○いったん奮い立って志を決めた以上は、どんな困難や障害に遭遇しても、決してその志をひるがえさず、あくまでも困難に屈しない精神で情熱をもってつき進むこと。これが古来、大事業をなし遂げて偉大な名を残すすべての人物に共通する特徴である。 その進路の困難さに対して「はたして成功するのだろうか」とためらったり、疑ったりするヒマもなく、その進路が山であるにせよ、川であるにせよ、ただ「どうやって進もうか」という思いだけで、つき進むのである。

○たとえ何十年かかっても、ただ一つの事業でいい、自分の生涯を記念するに足るだけの事業を築き上げて死ぬものは、この人生の成功者である。そして、この成功者になるための道は、自分のすべての心、すべての能力、すべての力をあげて志す目的に直進する、ただこの一路である。

○太閤秀吉の愉快な出世物語は、武士として立身出世するための七年間の一心不乱の修行があって、その後の草履取り、これによって信長が秀吉を足軽にとりたてるところから始まる。その後、信長が秀吉に出納を担当させ、見どころのある男だとさらに思い、続いて土木、水利、建築を担当させるが、いずれも不思議なほどうまくやる。それでさらに重く用いられれるようになっていくのであるが、秀吉がいずれもうまくやれたのは草履取りの前の七年間の一心不乱の修行によってその素養ができていたからなのである。  秀吉の出世の過程はちょうど階段を上るようにきわめて秩序立って、一歩一歩踏みしめ踏みしめ上がっている。いかなる場合にも一足飛びの幸運を求めるような形跡がない。しかもそのやり方が、ただ着実に、機敏に、一生懸命で、その職務をやり遂げるということだけを考えている。ああいう豪傑でも、着実を基本として、当然の順序を踏んで上がっている。この道さえ踏めば、立身出世は確かにできるもの。

以上引用させていただきました。志の大きさは半端なく、当時の国家予算の八分の一に相当する財産を築いたという安田善次郎さんですが、言われていることはシンプルなことでした(実行することはとても困難ですが…)。改めて自分の意志の力の弱さを痛感すると同時に、いろいろなことがあっても、少しずつでも、継続して、着実に、前に進んでいきたいと思う今日この頃でした。

参考文献 「現代語訳 意志の力」 著者 安田善次郎 訳者 守屋淳(星海社新書)

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