扶養控除等申告書にまつわる採決の話

紅葉も真っ盛りで、読書の秋、食欲の秋というところですが、我々、会計事務所、また、経理の担当の方は、気持ちがず~んと重くなる季節になってきました。

そうです年末調整の時期が近づいてきました。ただひたすら、資料を従業員に配り、回収し、記入漏れがないかを全員確認し、とくに今年入社の方が、マイナンバーの漏れがないか、新しい書式を書き間違えてないかなど、書類のチェックの日々が近づいてきました。

そんな年末調整の資料として、扶養控除等申告書について、審判所採決から興味深い判断が出されたのを皆様ご存知でしょうか。

簡単に言うと、扶養控除等申告書の氏名の筆跡が本人でないとして、甲欄ではなく乙欄を適用して税額を算出し源泉所得税額を算出すべきだというものです。

税務調査のときに、扶養控除等申告書が見当たらず、乙欄で源泉徴収すべきことを伝えたところ、翌日付けで扶養控除等申告書が税務署に郵送されてきました。

しかし、その扶養控除等申告書の手書きの氏名と住所の文字が、同じ従業員が審判所に答えた質問調書に記載した氏名の筆跡と大きく異なる点を指摘し、また、その従業員が扶養控除等申告書を提出したかどうかの記憶があいまいなことから、審判所は、その従業員が申告書を作成したとは認められないとしました。(採決平成30年2月7日)

現金から電子マネー、紙媒体から電子媒体へと急速に世の中が変化していく中で、手書きの氏名の筆跡が違うから否認!!って、なんとも昭和チックな採決です。(ほかにも状況は不利だったみたいですが)

iPadのアップルペンシルでサインすれば、電子化かつ筆跡が反映されるかもしれませんが、設備投資が中小零細企業にはむつかしいでしょう。皆様はこの採決を読んでどう思われるでしょうか。

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